いよいよIR計画が本格化?二つの候補地を比較



いよいよIR計画が本格化?二つの候補地を比較



2016年のIR(統合型リゾート)推進法が施行されて以来、日本では合法的なランドカジノを含む総合型リゾートの設置が検討されてきました。

 

カジノと言えば当然、本物のお金を賭けるギャンブルとなります。インターネット上でそれらカジノのゲームがプレイできるオンラインカジノついては、今年5月にあったコロナ給付金使い込みに関わる一件で注目を集め、OnlineCasinoJapan.comなどのオンラインカジノのレビューサイトでも、合法性に関しての議論が示されています。

 

一方のランドカジノについては、総合型リゾート誘致に向けて名乗りを挙げた大阪と長崎の2ヶ所が、最終的な候補地として出揃ったことで、合法的なカジノの実現に向けていよいよ本格的に動き出したと言えるのではないでしょうか。

 

総合型リゾート計画をめぐる、大阪と長崎それぞれの規模や経済的見通しについてはすでに報じられている通りですが、今回はメインのターゲットとなる海外からの観光客を迎えるにあたり、それぞれの候補地の強み、あるいは難点があるとしたら何かなどについて、書いていきたいと思います。

   

大阪「夢洲」

候補地の一つ、大阪がIRのロケーションとして選んだのは人工島「夢洲」。こちらはすでに2025年万博の会場となっていることに加え、大阪の都心部から直接アクセス可能となる地下鉄の開業も見込まれていることから、その便利さがまず大きな魅力です。

 

また関西の中心地として、大阪はお好み焼きやたこ焼きといった「粉物」の食文化、お笑いなど、東京とは大きく違う文化をもつことに加え、海外からの訪問客にとっては、京都はもちろんのこと、神戸牛で知られる神戸といった観光地へのアクセスが良いのも魅力的でしょう。

 

下記の長崎県側との比較では、日経新聞の報道を見ても初期投資額や年間来訪者といった点を見ても、もう一つの候補者を大きく上回る規模であることは明らかです。

   

長崎「ハウステンボス」

一方の候補地である長崎でIRの整備が考えられているのは、ハウステンボス(同県佐世保市)です。もともと単独テーマパークとしては日本最大規模のパークとして、高い認知度を誇るだけにパーク自体との相乗効果を期待できるでしょう。

 

また世界遺産となっている教会群や原爆関連の史跡など、負の部分も含めた日本の歴史に深く触れることができる長崎は、ありきたりな観光よりも一歩踏み込んだ経験を望む海外からの観光客にとって、非常に魅力的な場所となるはずです。

 

ただしヨーロッパがテーマの遊園地が、日本を訪れる海外からの観光客にどれくらい魅力的に映るかは、若干の疑問が残ります。また羽田・成田や関空などの玄関口からの物理的な距離の大きさにより、長崎は訪問までのハードルが若干高くなることは否めません。

 

西日本には大阪、京都、神戸、それに広島といった人気観光地が控えており、それらを差し置いて初来日の観光客を呼び込むには、かなり強い魅力が必要となるでしょう。

   

大阪に若干分があるように見えるが…

というわけで、海外からの観光客をメインのターゲットとして考えた場合、総合型リゾートとしては、特にアクセスという部分で大阪に若干分があるように思ますが、いずれにしても、大阪も長崎も、ディープでユニークな日本を楽しむことのできる場所であることは間違い無いでしょう。